ついったでRTされたので書くぜ!企画。
あなたは1日以内に 1RTされたら 人目を忍んで誘い受けな山京を 描(書)きましょう。 http://shindanmaker.com/65527 #BLodaitter
1RTとかwww
っつーか、うちのけーひんさん、人目を忍ばなくてもいつも誘い受けなんですがどうすればw
そんなこんなで、山京です。山手がいつもどおりアレなかんじです……。しかたないね!
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Heart Rate
―― Yamanote Line * Keihin-tohoku Line
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発車ベルが鳴って、走り出す電車を見ていた。
黄緑色の、おれの車両。
隣の駅は、すぐ近く。
おれの線路の横を、この駅には止まらない電車が次々に駆け抜けていく。遠い、おれの知らない遠いところまで行く電車。
内回り人形を抱く腕に力を込めた。
「山手」
背後から聞こえた声に、驚いて立ち止まる。
こんなところにいるはずのない、ひとの、こえ。
「え……――け…ひん……」
振り向けば、空色の制服を身に纏った京浜東北の姿があった。
書類を持っていることの多いその手には、今は何の荷物もない。
そもそも、今この時間帯は、京浜東北線は快速運転、この駅には止まらないのに。
「山手、おつかれさま」
眼鏡の奥、涼しげな瞳が微かに笑んで、それから気遣わしげに瞬いた。
「調子悪いみたいだけど、大丈夫? 少し休憩したら?」
「……だ、だいじょうぶ……」
「本当に?」
ああ、どうして彼にはわかってしまうのだろう。
車両にも架線にも、他の何もかもに不具合が無くても、天候にも不安要素が無くても、おれのこころが、時々、とてもさみしくなってしまうことを。
けれどそうは言えなくて黙ったおれを、京浜東北はじっと見つめ、ふいに腕を引いた。
「山手、ちょっとこっち」
連れて行かれたのは、柱の陰。人ふたりが並んでも、反対側からは見えない。
そんなところで。
「……」
京浜東北の髪が頬に触れた。
「僕が少しだけ休憩したい。付き合って」
身を寄せた、京浜東北の体温が、触れた腕から伝わる。
片腕で抱いた人形が邪魔だ。そう思ったけれど、落とすわけにはいかなくて、代わりに人形ごと京浜東北の背中に回したら、腕の中で京浜東北の身体が震えた。どうやら笑われたらしい。
「前も後ろも、山手に挟まれちゃったな」
『……挟んじゃったー♪』
少し考えてから、内回りを喋らせる時用の腹話術でそう告げたら、京浜東北が吹き出した。
おれの肩口に額を押しつけて、身を震わせ、声を殺して笑っている。
どうやらツボに入ってしまったようだ。
やがて、泣き止むときにも似た息の吸い方をして震えを止めた京浜東北が、顔を上げておれを見た。
「山手……」
ふわり綻んだ笑み、そっと閉じられた瞳に合わせ、唇を重ねる。
軽く押しつけるだけで身を離し、微笑んだ彼の肩越し、走り抜けていった空色帯の電車に、今いる場所を思い出した。
「っ……!!? ぁ、こ、ごめっ……」
今は業務時間中、しかもここは駅のホームなのに。
真っ赤になって謝ると、京浜東北は軽く首を傾げ、苦笑めいた笑みを浮かべた。
「謝られると困るな。僕がそう誘導したのに」
君が、僕にキスしたくなるように。
そんなことを、真顔で言われて、返す言葉に詰まる。
それは、おれにキスをして欲しいと、思ってくれたのだろうか。
それとも、元気がないおれを、励まそうとして……?
ああ、どちらでもいい。
どちらにしろ、うれしい。
なんてうれしいことだろう。
「山手。――ね、もっと、したくない?」
その手の触れ方は反則だ。
彼の、右手、おれの、左手。いつもの位置。
「ぇ、い、今……? あとで……?」
思わずどもったおれに、あっさりと言葉が返る。
簡単な二者択一のように。
「どちらでも。すぐそこに色々あるし」
確かにホームからもたくさんのそんな建物が見えるけれども。
だって今これから二人揃って二時間あまりも姿を消したら。
「――ぅ……、あ、あとで……」
おれだけならまだしも、京浜東北までが、いや彼の方こそが咎められてしまうだろう。それは忍びない。
「うん。――じゃあ、あと半日、お互いがんばろうね」
すっと身を離し、そう告げると、京浜東北はあっさりと去っていった。
まるで白昼夢でも見たのではないかとさえ思うような。
けれど、胸に手を当てればそこはドクドクと大きく早く脈打っていて、指先には彼の温もりが微かに残っていて。
胸の中は、彼への想いでいっぱいで。
ほんの少し前まで胸を占めていたさみしさは、今はカケラもなくなっていた。
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はい。
そんなこんなな、山京でした!
舞台はもちろん、鶯谷駅ですwww
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