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でんしゃのひと萌えブログ。 遅延も萌えれば人生三倍楽しいぜ! (毎朝デフォで数分遅れる子に乗ってますのでね…)
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【臨】Hello, Hayabusa【東北、上越、and……】
お待たせしました~~。
上越上官、開業日おめでとう!
……の記念でなぜか“はやぶさ”が来た時の話。

上越と東北、“とき”、“はやぶさ”


※ご注意※
このお話は、青春鉄道に出てくる路線キャラのほかに、特急等「名前」のついた運行列車のキャラクターがいる、という独自設定に基づいています。
ご了承ください。
ちなみにメインのお仕事(運行管理等)をするのは各路線キャラで、名前付列車は彼らの守護霊(?)的位置づけで彼らの補佐をしている……くらいに考えてます。

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   Hello, Hayabusa
   ハロー、ハヤブサ

   上越と東北、“とき”、“はやぶさ”

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 南を統べる男から、その“鳥”を預かった。
 永らく南の地を走っていた“彼”を。
 これからは、北に向けて、共に走ることになる“彼”を。
「貴様なら、これを任せるに足るだろうと判断した。――私の期待を裏切るなよ、東北」
 かつて“彼”と同じように一特急として東海道を走っていた燕は、いまや九州新幹線として、路線を管轄する立場にいる。
 はじめから路線として――高速鉄道として在る自分には、推し量ることしかできない感慨があるのだろう。
「承知した」
 短く答え、右腕を差し出すと、“彼”は鳥の姿になって、その上に舞い降りた。


「おかえり東北。それが“はやぶさ”?」
 連れてきたんだね、と背後から聞き慣れた声がかかる。
 歩みを止めて振り返ると案の定、開業前から傍らに在る相棒が白い胸元を晒して立っていた。
「ああ、――紹介する」
 促すと、肩に止まっていた“鳥”は音もなく舞い上がり、“人”の姿になった。
 背格好は東北と、また今まで常に共にあった“颯”と同じくらいだ。
『“はやぶさ”です。よろしくお願いします、上越新幹線』
「よろしく、“はやぶさ”。
 それにしても、“はやて”といい君といい、東北にぴったりの強面だね、揃って並んでごらんよ、子供が泣くよ?」
 そう言って愉快そうに上越が笑う。
「上越、“とき”は?」
「いるよ。――ここに」
 上越が微笑むと、その背後からふわり白い鳥の羽が閃き人形を取った。
 上越にも引けを取らない長身に、肩の下まで伸びた緑の黒髪、透けるような白い肌。
『“はやぶさ”、ひさしぶりだな』
 玲瓏たる美しさを讃えられ『特急の女王』とも言われた彼は、今は上越新幹線の一名称として、上越と共に東京と新潟とを結んでいる。
「“とき”はだいたい僕と一緒に居る。――“たにがわ”は引き篭もりだから、滅多にこっちへは出て来ないんだ。君が来たなら今度、顔合わせに連れて来よう」
 上越の気高さ美しさは、“とき”に似ている。
 同時に彼の優しさや臆病な心は“たにがわ”に似ている。己の名でもある山で失った命のため贖罪の日を送る彼は、そうして上越の心の負担を引き受けているのだろう、と東北は思う。
 無論、上越に面と向かっては言わないことだ。
「九州から“はやぶさ”をもらい受ける、だなんて、気が狂ったのかと思ったけど、……まさか本当にやるなんて……九州が承諾するだなんてね……」
 呆れを隠さない上越に、東北は僅かに眉を寄せた。
「なぜ、って言いたそうだね? だって“はやぶさ”と言えば、永らく東京と九州とを結んで走っていた寝台特急の花形だ。“はやぶさ”と言えば南に向かう列車、だ。その名を戴いて北へ走るだなんて……。
 ――知っている、東北?
 君が全線開業して“はやぶさ”と共に青森に辿り着いた時、“はやぶさ”は北は青森から南は鹿児島まで、この国でいちばん長い道のりを走ったことのある名になるんだよ。北海道までの乗り入れが実現すれば、君の従える“はやぶさ”が、この国を統べる列車の名になるんだ」
 上越のその声、口調には、誇りと共に、悔しさ、そして寂しげな響きとが同居する。
 そんな声を聞く度に、東北は不思議な心持ちになる。
 上越は常に、東北よりも自分が劣っていると見なされている、と思って……思い込んでいる。東北は自分が上越より上へ、先へ行っているだなんて一度も思ったことはないのに。
「お前と“とき”は、日本海側への路を守り続けて来た。走る距離で優劣が付くものじゃない。お前の存在がどれほど……」
「わかってるよ、東北」
 上越は静かに遮り、微笑んだ。
「僕だってそこまで馬鹿じゃない。乗車率だの売上だの、煩く言われることもあるけれど、それでも僕は――“とき”は『新潟の星』なんだ」
 幾多の困難を超えて。
 走る姿は、気高く、美しく。
『“とき”と貴方の走る様を、間近で見られるのは僥倖です』
 傍らで、“はやぶさ”が低く呟いた。
 確かに驚いた顔をした上越が、笑みを閃かせて首を傾げた。
「ふふっ、そんなに有り難がるものでもないよ。すぐに見飽きる。だって、毎日君の傍らを走るんだから」
 ね、と上越の笑みを受けて“とき”も微笑む。
『ああ、有り難がっていられるのは今のうちだろう。北へ向かう新幹線の目まぐるしさは世界一だぞ。私を眺めている暇などすぐになくなる。覚悟しておくがいい』
 そう脅しをかける“とき”は、酷く楽しそうだ。上越については言うまでもない。
「上越、“とき”」
 無駄と知りつつ一応窘めるために名を呼ぶと、ふたりの笑みはいっそう深くなった。

 

  ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡


はい。
ってことで上越新幹線開業日おめでとう~!と言いつつ“はやぶさ”はじめまして、な話、です……。
今更!
そして勝手設定が……。
いえね、上越上官=特急“とき”じゃない、のが確定ぽいので、前々から考えてた話をカタチにしてみました。

路線(運行系統)のひとたちと別に、特急サンもいて、でも昔特急だった“はと”たちが今は高速鉄道という運行を担っていることを考えると、こんなのも有りかな、と。
路線のひとたちは常に人型で人間にも見えるけど、“列車名称”のひとたちは人型の他にその名が表すものにも変化できたりすると良いなぁ、っていうか鴇を連れてる上越とか隼連れてる東北(或いは九州)手格好良くね!?っつー妄想乙。
列車名称に宿る言霊というか精霊というか、そんな存在、と思っていただければ。
ちなみに人間に見えたり見えなかったり変えられます、ってゆー便利設定。

当初考えてたタイトルは、『ハロー・ハヤブサ、グッバイ・ハヤテ』だったんですが、“はやて”そんなすぐグッバイしなさそうなので、ハローだけにしといた。

ビジュアルイメージとしては、“とき”は上越をもっとたおやかに色っぽくしたかんじ(でも芯は強い、そりゃもう筋金入りです。ときだもの)、“たにがわ”は上越をも少し陰気にしたかんじ(笑)、“はやぶさ”は東北をもっと眼光鋭く(隼ですから!)、この話には出てきてないけど“はやて”はもう少し細めでクール系な…東北と上越の中間くらい?(どんなんや)

特急“水上”“あかぎ”はもちろん、快速“ラビット”とか“アーバン”とかも、名前あるからいるんだよ、兎とか犬とかさ(笑)。
常磐トコのSひたち・Fひたちとか、さ。
……って挙げてくとキリないので止め!

ま、南から来た“はやぶさ”は、こうして皆に歓迎されて東北と一緒に北の地を駆け抜けていくことになるわけです。上越と“とき”や、他の皆も。
幾多の困難を乗り越えて。
これからも、ずっと。

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