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でんしゃのひと萌えブログ。 遅延も萌えれば人生三倍楽しいぜ! (毎朝デフォで数分遅れる子に乗ってますのでね…)
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【臨】丸ノ内はぴば!(大遅刻ごめん)【丸ノ内×千代田】
おひさしぶりでございまする。
またも記念コバナシだよ!
またも遅延だよ! とびっきりの!

丸ノ内の開業日は1/20です……。ごめん丸ノ内!!
なんとか1月の内にはうpしたお!(自慢にならない)

ってことで、まるのうちよだ、いっくよ~!

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 改まって、面と向かって言うのは何だか気恥ずかしいというか、気後れしたので。
 もし、今日、会えたら。
 偶然会えたら、渡そうと。決めた。


 Your Mark


 乗り換え駅はたくさんあるのに、本人と出会うことはあまりない。
 乗り換えと言いつつ微妙に遠い、と言われる距離と所要時間のように。
 めちゃくちゃ遠くて不便、と言うほどではないけれど、便利だとは、お世辞にも言えないだろう。
 それはそのまま、自分と丸ノ内自身の距離間のようだ、と千代田は思う。
 千代田がバイパスをしているのは日比谷で、丸ノ内のバイパスは有楽町だ。なのに、丸ノ内と千代田との乗換駅は、日比谷と千代田より、丸ノ内と有楽町より、多い。いや、それどころか、有楽町と副都心の併走区間を除けば、メトロ内の誰より接点の多い二人になる。
 数日前の休憩時間、お茶の水の街をふらりと歩いていたら、文具店の片隅で、綺麗な栞を見つけた。伝統工芸だという刺繍で、花が縫いとられている。
 木偏に春と書く、花のその色は、丸ノ内を思わせた。惹き込まれるような紅赤。
 新春の雪の中にも鮮やかに咲く。
 気づいた時には、栞をふたつ、レジ係に渡していた。
 ふたつも買ってどうするんだ、と自分でつっこみ、ため息をつく。と、丸ノ内の開業日が近いことに気がついた。
 本なんて読む柄じゃない、と思わせて、実はいろいろ読んでいるのを千代田は知っている。主な入手先が、千代田の部屋なので。
 千代田の読まないスポーツ新聞や雑誌の類だけ、自分で買ったり、あるいは駅で拾ったりしているらしい。みっともないからやめろと何度か言ったが、ゴミ拾いだ美化活動だと言い切られた。
 貸して、返ってきた本の、ページの片隅が折れていることが度々あって、折り目を栞代わりにしていると知れる。
 本を読むのも好きだが本自体も好きな千代田にとっては信じ難い所行だ。やめてくれと言って、聞き入れてくれるなら苦労はしない。
 口実と言うには実にちょうど良すぎる理由だ。
 けれど。
 それでもまだ一歩分の躊躇いが消せなくて。


 丸ノ内の開業日、二十日の昼過ぎ、業務に就く千代田の胸ポケットには、いまだ栞を包んだ紙袋が忍ばされたままだった。
 もともとの予定で前夜は綾瀬の部屋に泊まり、朝もそのまま綾瀬からの出勤だ。日比谷には北千住で会ったが、それ以外の仲間たちとは誰とも顔を合わせていない。
 代々木上原に向かう車内、大手町で、躊躇っているうちに扉が閉まり、半ば賭のような気持ちで、国会議事堂前で降りた。
 メトロの中で、一番地下深いところにある駅だ。都営地下鉄を入れても、もはや殿堂入りのような大江戸線の六本木駅に次いで二番目に深い駅になる。
 急カーブと漏水で有名な駅の、工事中でさらに狭くなったホームをゆっくり歩く。
辿り着いたホームの端、古びた壁に、乗り換え案内。
 階段を登れば、丸ノ内線の国会議事堂前駅がある。
「――あれっ? 千代田!」
 ふいに上から降ってきた声に、顔を上げると、階段の手すりから身を乗り出す丸ノ内が見えた。
「丸ノ内……」
「今日初千代田だな! おはよう!」
「おはよう。――もう昼過ぎだけど」
 小さく呟いている内に、階段を駆け下りてきた丸ノ内があっという間に目の前に迫っていた。
 ただでさえ結構ある身長差、ひとつ上段から覗き込まれて思わず後ずさる。
「っ……、――わ、っ」
 階段の幅を読み違えてよろけた身体を支えたのは、やはり丸ノ内の腕だった。
「おっと。危ないぞ、ちゃんと立てって」
「君が近すぎるからじゃないか」
「そうか? ちょうどいいだろ?」
 ほら、と当然のように、背中を引き寄せられる。ちょうど丸ノ内の胸の中に抱き込まれる形。
「ちょっと……っ、離せよ……」
「誰もいないって。それにいいじゃないか、今日くらい」
 その言葉に、この駅で降りた理由を思い出した。だがこの体勢で渡すのは、と躊躇っていると、丸ノ内が身を屈め、さらに顔が近くなる。
「千代田? どうかしたか?」
「な、でもない……っ」
「なんでもないって顔じゃない。――どうした? ほら、おにーさんに言ってみろ?」
 任せろと胸を叩く、その様子に半ば呆れながら、けれど千代田は観念して息をつき、小さく言葉を押し出した。
「大したことじゃな……くはないけど、ただ、これを渡そうと……」
 ようやく胸ポケットから栞の入った袋を取り出し差し出すと、丸ノ内が首を傾げた。
「ん? 何、オレに?」
「うん。――か、開業日、おめでとう」
 真顔と言うよりきょとんとした顔になって、丸ノ内が、ひとつ、次いでふたつ、瞬きをした。
「……今日だろう? 一月二十日。朝、皆に言われなかった?」
「うん。言われた。プレゼントもらった」
「うん、だから……」
「千代田からのプレゼント……?」
「っ、そ、だよ」
 分かったら早く受け取れ、と念じると、丸ノ内の手が伸びて、紙袋ではなくそれを持つ千代田の手を掴んだ。
「え……」
 唇に触れた温もり。
 驚いている内に体温が遠ざかり、手の中から栞もなくなっていた。
「ありがとうな!」
 くしゃり、千代田の髪を掻き混ぜるように撫で、丸ノ内はそのまま踵を返す。
 言葉を失ったままその背を見送ると、千代田は壁に背を預けた。許されるならそのままずるずると崩れ落ちたいところだが、駅員や客に見られると困る。
「な、っに……」
 一瞬、間近に見えた赤。
 笑みの形にカーブを描いて。
 網膜と唇に、鮮烈に焼き付いた記憶。
 これは当分消せそうにない、と千代田はひとり、溜め息をついた。


   + - + - +

丸ノ内、はぴば!!(10日遅れ…)
一次常磐書いた直後に丸ノ内は、正直ちとキビシイw 書き分け的にw
だけど基本ノリは同じように見えて、聞き分けるところと分けないところが違うんだよ!(力説)

出来上がりまくりっていうんじゃなくて、なにやら微妙な距離感なふたりです。むふふ。

ちなみにこのふたり(うちの)、出来上がっちゃうときっとこんな感じ。
 ↓ ↓
h_aikawaのまるのうちよだの30%は下ネタ、30%は色気、残り40%はお花畑で出来ています。 http://shindanmaker.com/77874 
……どうしようもない!\(^ q ^)/
 

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