書き初めその２。
・安定の白新ちゃん！お相手は任意で！なんかお正月っぽいやつ
……っていうリクエストｗ

「わ！　あ、おーう、来てたんだ」
　松の内に顔を出した新潟駅で、控え室のドアを開けた途端に白新に会った。
「ああ。明けましておめでとう。今年もよろしく」
「あ、あけましておめでと……よろしくおねがいします」
　ぺこ、と頭を下げると結った髪束がひょこりと揺れる。
　いつもシンプルなゴムで結ばれた髪束には、今日は水引の松葉が刺さっていた。
「頭、正月仕様なのか」
　思わず笑えば、白い頬に朱が走る。
「こっ、これはじょーかんが！」
「松の内はずっとこれなのか？」
「えっ……」
　言いよどむ様に再度問えば、なんとこれは日替わりなのだという。
　元日には皆揃って振袖を着せられたと聞けば、その日に挨拶に出向かなかった己を恨むしかない。
「それは見たかったな……」
「み、見なくて良いって！」
「髪飾りは？　何だったんだ？」
「ええと……おついたちは、紅白の梅」
「梅か。良い香りがしそうだな」
「作り物なんだから匂いはないって」
「いや、お前が」
　梅の簪を挿した白新は、きっと梅のような清らで甘い香がするのだろう。
「おーう……じょーかんと同じこと言う……」
　それは光栄と言うべきか。
　振袖が冗談でなく似合いそうな白皙の上官を思い浮かべつつ、けれども複雑な心境だ。
　目の前の白新の首すじがうすらと赤いのは、さて、上官と奥羽と、どちらの言葉が原因なのか。
　蕾が綻ぶ前から甘い香りのこの花の、盛りはきっと、もう少し先。
　手折らず眺めるに留めておける自信がないな。
　日増しに膨らむ蕾の名前は、今はまだ胸の裡に。