昨日2014年5月24日は、北陸新幹線、金沢~長野(~高崎~東京)の、締結式でした。
ので、……ってワケじゃないけど、信越北陸。
いや、先日のスパコミで頒布したペーパーコバナシをupするのを忘れていたのでちょうど良いかな?と。
信越北陸です。北陸信越ではなく信越北陸です。えんじぇる長野が総攻め北陸様になるのも良いけど、そのまま純粋無垢エンジェルなまま成長したらどうなるかなって想像してみた結果がこれです。
たかときはいつもの感じです(笑)。
下↓からどぞー。
『恋のお時間』「今思うと、一目惚れ……だったのかなーって……」
へらっ、としか表しようのない笑みで告げる高崎に、顔が赤くなったのが自分でも分かる。と同時に咄嗟に手が出て、気づいた時には高崎をぶん殴っていた。
「なっ、何言って……バッカじゃないの……!?」
事務椅子ごと床にひっくり返って頬に手を当て、呆然としていた高崎は、けれど、またへらりと笑い、床に胡座をかいて手を伸ばす。
「はい。すみません、馬鹿のひとつ覚えで」
――上官、好きです。
普段は思ったこともロクに言えないくらいビクビクしている癖に。いつどうしてスイッチが入るのか、高崎はそんな言葉を実に臆面無く口にする。いや、在来の仲間たちといる時の表情の豊かさを思えば、上官の前で萎縮している姿の方が「普段」とは異なる状態なのだ。
「――バカ……」
勢いをつけて抱きついてやったのに、ちょっとよろけただけで高崎は上越の身体を受け止めて、眩しいくらいの笑みを見せたのだった。
「上越先輩は……なんだかんだで、高崎のことがお好きなんですね……」
扉に手をかけようとした瞬間、ドンガラガッシャン、と漫画の擬音のような音が聞こえて、驚いた上官は咄嗟に手を引っ込めた。
それから慌てて扉を開けようとした彼を制し、聞き耳を立てる。信越には、中で起きている状況が概ね把握できていた。
凛々しい顔にあからさまに心配と書いて扉の向こうを見つめる北陸を見上げながら、本当に良い子に育ったなぁと信越は思う。
そっと開けた隙間から窺った部屋の中では上越が床に座る高崎に抱きついていて、それを抱きしめる高崎は見ているこっちの頬がにやけそうな笑顔で、北陸もようやく安心したらしい。ほっと息を吐くと同時に肩の力が抜けた。
「お好きって言うか、もう、大好きですよね?」
若いからかお育ちが良いからか、わかりやすくて、可愛らしいことこの上ない。そう言って笑えば、北陸の整った眉が密かに寄った。憂いのある表情も、ため息の出るような美しさだ。
「ああ、もちろん、北陸上官の方が、お可愛らしいですよ?」
にこり微笑んで告げれば、白皙の頬が一気に染まる。業務中の凛々しさからは考えられない姿だ。
「か、可愛いだなんて……。そんなことを言うのは、もう、信越だけですよ」
「格好良くて可愛い、俺の自慢の上官です。皆に見せびらかしたいくらい。……ああ、でも、『本当に』可愛らしいお姿は、俺の前だけにしてくださいね?」
「……っ、あ、当たり前です!」
頬の赤みが一段と増して、亜麻色の髪の波から覗く耳朶までも。
「――ちょっと、そこの宗旨替え本線!? うちの可愛い後輩をあんまり口説かないでくれる?」
扉の向こう、だがあまりにも近い距離から聞こえた声に、驚いて目をやれば、開けたままだった隙間から見事な笑顔が覗いていた。
「ぅわぁっ、上越先輩っ!」
「やだなー上越上官、覗きだなんて趣味の悪い」
「覗きたくて覗いたんじゃないよ! 退いてよ、部屋から出られないでしょ!」
そういえばそうでした、と退けば、呆れ顔の上越上官と、ばつの悪い顔をした高崎が現れる。三人並ばれると、信越はこびとにでもなった気分だ。上越(在来の方)なら尚更だろう。
「先にいちゃついてたのはそちらじゃないですか」
「僕は良いの!」
しれっと言ってのければ、間髪入れず、横暴な台詞が返る。高崎と北陸が顔を赤らめるのを視界に収めながら、信越は、目の前の上司にひとつの提案をした。
「上官。今日はせっかくの良いお天気ですし、可愛い恋人ともう少しのんびり過ごしたいと思いませんか?」
「……何」
わかっているくせに、何を企んでいるのとでも言いたげな眼差しで告げるから。
悪いことを吹き込むのは、悪いオトナの役目だ。
「このまま四人で、ちょっとだけ休憩しましょう」
「さすがに全員一度に高崎駅を開けるのは……」
「大丈夫、後一時間もしたら上越が戻ってきますし」
「ちょっと! それ僕が上越に叱られる流れじゃないか!」
「じょ、上官! 俺も一緒に叱られますから!」
即座に返された言葉に三人揃って目を向ければ、高崎は、あれ?などと首を傾げている。
「……そういう問題じゃないでしょ、ばーか」
くるり、踵を返し歩き始める上越上官。
「ほら、早く行くよ!」
いち早く外の風を捉えたように、艶やかな髪が春の風に揺れた。
fin.
――北陸新幹線金沢延伸後の、春の話。
北陸さんあの背の高さで男前イケメンで(逸物もご立派←)、それなのにオトメンだったら逆に萌えね!?っていう。
ところでこの話、4頁の折本ペーパーで、1頁後書きなので本文3頁なのですが、高崎クン、3回バカって言われてますw それぞれのニュアンスの違いをお楽しみくださいwww
っつーか、高崎マジ高崎。
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