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でんしゃのひと萌えブログ。 遅延も萌えれば人生三倍楽しいぜ! (毎朝デフォで数分遅れる子に乗ってますのでね…)
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【SS付】ちょっとしんみりな話題
そのカテゴリはどうよ?と思いつつ、でもまぁこれが一番近いんだ……。

<1>
0系新幹線、さよなら運転ラストラン、18:01に博多に着いて無事終わりましたね。おつかれさまでした!
――ってことで、京浜東北と東海道ジュニア(なぜ!)

<2>
トキ(上越さんじゃなくて鳥の方…)が一羽、亡くなったそうです。
――ってことで、いろいろ思うところのある上越さんと東日本のひとびと(山形は東海道のお守で不在)


 + あてんしょん +
紙端国体劇場様の二次創作、っていうか、妄想と捏造の産物。

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<1>さよなら0系


「……」
 無言で腕時計を眺める京浜東北の意識を引き戻すように、東海道はわざと音を立てて彼の傍ら、壁に寄り掛かった。
「……どうしたの?」
「――もうすぐ18時だな」
「うん、博多着くね。――お兄さんも、セレモニー出るの?」
「いや。あれは西日本のイベントだからって、東京の司令室にいる」
「そう…。あの人らしいね、ほんとは駆け付けたいだろうに」
「お前だってそうだろ」
「僕はただの、在来線の各駅停車だもの」
 そう言って京浜東北は肩をすくめるが、東海道新幹線の開業が決まった時も、0系が東海道から撤退した時も、先日の営業定期運転終了の時も、人一倍感慨深げにしていたことを、東海道は知っている。
「0系、ついに無事故で引退、だね」
「ああ……」
 彼があこがれたのは、新幹線の『速さ』だけでなく、夢を乗せて走るあの人の、その『安全神話』にもあったのだろう。
「――おつかれさま、0系」
 目を閉じて微笑む京浜東北を見下ろして、彼の209系が引退するその時、彼はいったいどんな表情を浮かべるのだろうと東海道は思った。

(いろいろねつ造しすぎる……)



<2>トキと“とき”

「…っふえ……っ」
 ドアを開けるなり耳に入ってきたしゃくり声に、上越は眉をひそめて部屋を見渡した。
 テーブルの周りにはいつものように新幹線の面々が集まり優雅なティータイムを過ごしている。――と思いきや、東北と秋田、そして長野しかいなかった。
 山陽は本日で引退する0系のセレモニーのために東京にいないことは知っている。それに加え、やはり何某か思うところがあるのだろう東海道と、お守役の山形の姿も見当たらなかった。
「……どうしたの?」
 泣いているのはもちろん長野だ。問いかけると、秋田が困った顔でこちらを見た。東海道じゃあるまいし、今にももらい泣きをしそうな表情だ。東北に視線を向けても無言で首を振るだけ、わけがわからない。
「長野、どうしたの?」
 歩み寄りながら、優しく声をかけてやると、涙でぐしゃぐしゃになった顔で長野が振り向いた。
「じょ、っぅえつ、せんぱっ…、トキが…っ」
「は? とき?」
 今日は何のトラブルもなく順調に運行しているはずだが。
 当然の疑問を浮かべた上越に、東北と秋田が視線を交わし、ため息をついた東北が口を開いた。
「ちがう。鳥の朱鷺だ」
「ああ……」
 そういえば先日10羽が放鳥されたっけ、と答えながら、なんとなく嫌な予感を覚える。気にするのも癪だと思いつつ、気になるものは気になるのだ。WEBニュースで、一組のつがいができたたらしいことや、その雌がカラスか何かに襲われてケガをしたということはチェックしていた。
「先日ケガをして行方不明になっていたメスが、死んでいるのが確認されたそうだ」
「――そう」
「ちょうどテレビ見てたら、ニュースが流れて…」
 見ちゃったんだよねぇ、と秋田が眉を弱らせる。
「そう、それで泣いてるの。――長野はいいこだね、優しい子だ」
 ふわふわの髪の毛に覆われた小さな頭を撫でると、長野はそのまま上越にしがみついてきた。
 『上越せんぱいと同じ名前』と、テレビ画面を通じてしか見たことのない鳥を、ずいぶん気に入っていたのを知っている。
 上越の、Maxときのサイドに描かれた羽根と同じ、綺麗なピンク色だと。
 薄紅の羽根が無残に地に散る様を、この優しい子は思い浮かべて傷ついてしまったのだろう。
「っふ、ぅえっ……」
 柔らかな髪を撫でながら、瞑い愉悦が湧き上がってくるのを上越は感じる。
 滅びるのなら、ひっそりと忘れ去られるのではなく、無惨な姿をこの子の網膜に灼き付けて滅びたい。
 そんなことを上越が思っているなんて、この子には想像もつかない話だろう。
 ふと視線を上げると、東北の冴えた瞳と目が合った。
 読めない男だ。
 上越の暗い欲望を知りながら、時折窘めるだけで、それを正そうとはしない男。止めるのではなく、唆しもせず、ただ見守るかのように。
 君が黒き風を起こして僕を斃してくれるなら、そのまま滅びてもいい。
 秋田の位置からは気づかれないだろう。泣いている長野ももちろん。
 東北でさえ、気づかないかもしれない。
 そっと、ひそやかに口端で笑んで、上越は長野の頭を撫で続けた。

(なんか上越さんが予想以上に病んだひとに…(苦笑))

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