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でんしゃのひと萌えブログ。
遅延も萌えれば人生三倍楽しいぜ!
(毎朝デフォで数分遅れる子に乗ってますのでね…)
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【BLG:ヘヴン】哲ちゃんハピバ!! 【丹羽七SS】
……て、遅すぎるorz。 愛情記念日 (学園ヘヴン:丹羽×七条) " Happy birthday,my darling' " ただ一文、それだけのメールが哲也の元に届いたのは、日付が変わった直後のことだった。 8月15日。 哲也の誕生日だ。 哲也はすかさず携帯電話を操り、履歴から呼び出した番号に電話をかけた。相手はもちろん、メールの送り主、恋人の七条臣だ。 「……こんばんは、哲也さん。お誕生日おめでとうございます」 笑いを堪えようとはあまりしていない様子で、聴き慣れた声が耳朶をくすぐる。驚きと喜びと、確かに愛おしさを窺わせる、やわらかな声。 時によりダイヤモンドの硬さになる声は、今は優しく、柔らかい。羽毛や綿菓子、そんな風に柔らかさをイメージさせるものをいくつか思い浮かべてはどれも違うと打ち消して、哲也がたどり着いたのは、真珠の艶やかで滑らかな柔らかさだった。貝の中で少しずつ少しずつ、包まれ育まれた色味も、彼の持つそれに近い。 「サンキュ。――そっち休憩中か?」 数日前から、臣は仕事でニューヨークにいる。 「ええ、そろそろお昼です」 「そっか」 今は夏時間だから、東京との時差は13時間、ニューヨークはまだ14日の11時だ。 「……すみません、せっかくの誕生日なのに」 「仕事なんだから仕方ねぇだろ。それに、俺だって仕事入っちまうこと多いし。っつーか俺の誕生日に一緒にいられたことってあんまりねぇじゃん?」 しかも、哲也の方に仕事が入ってしまうことがほとんどだ。 そう思ってから、気がついた。 ほとんども何も…。 「……あれ? お前の方の用事で会えないのって、コレが初めてか? そっか、それでお前、気にしてんのか……」 携帯電話を当てた耳元で、苦笑混じりのため息が聞こえた。 「そうですよ、と言ったら?」 「馬鹿だな」 「ひどいですね」 「……臣、ありがとな」 「哲也さん……」 名を呼んで、そのまま揺れた吐息が哲也の胸をも震わせる。 臣、と呼んだ声は低く掠れ、哲也は息を吸い直した。 「臣、好きだ」 「っ……」 「…っくそ、今すぐ抱きしめてぇのに、なんでいないんだよ」 「仕事だから…仕方ないと、言ったのは哲也さんですよ……」 「んなのわかってるよ。けど、お前が可愛いこと言うから、」 口にしてもかなわないと知ってはいても。 「抱きしめたくなるじゃねえか」 臣が息を飲んだのが、電話越しにもわかった。 「臣。抱きしめたい。キスしたい。 ……それだけのためにお前を好きなわけじゃないのに、なんでだろうな、何遍好きだって言っても足りねぇ気がして……身体じゅう触って汗まみれになって、お前のことめちゃくちゃに喘がせたいって、そんなことばっか考えてるぜ」 言葉は万能ではなく、それどころかしばしば手酷い偽りで人を傷つける。 それをイヤと言うほど知っている臣だから。 一度『好き』と言うより、一度キスをしたい。 一度『愛している』と言うより、一度抱きしめたい。 そばにいて、触れ合って、互いのことしか考えられなくなるくらいに。 「僕だって……僕だって、同じですよ……」 愛を伝える術は、いくらでもある。 口から零れる言葉、文字を綴る言葉。 触れる手、唇。 手の届かない距離にいても。 目を閉じればその微笑みを思い浮かべられること。 あたたかな腕に包まれている、と感じられること。 哲也は大きく息を吐き出した。 電話の向こうで、臣も息を吐いたのが感じられた。 「このままどうにかしてやりたいくらいだけど、……お前これから昼飯だろ? っつーか、今外だろ?」 ざわめき、というほどではないが、先ほどから時折、臣の背後を声が過ぎっている。 「少なくともホテルの部屋ではありませんね」 「だよな……」 「あと2日、我慢してください。空港から真っすぐに向かいます」 「いや、待てねぇ。空港まで迎えにいく」 何かを考えるより先にそう答えていた。 「哲也さん……」 「臣、覚悟してろよ。たっぷりプレゼントもらってやるからな」 かすかな笑みの気配が耳朶を撫でる。 「ええ。覚悟しておきます。……では、おやすみなさい、良い夢を」 「ああ、おやすみ。……あ! ちゃんと飯食えよ!」 「はい。実はこれから会食の予定なんです。ハンバーガーでもピザでもないので安心してください」 「そか、……じゃあな」 「はい、おやすみなさい」 通話の切れる音を確認して、哲也も携帯のボタンを押した。 寂しがり屋の臣に、なかなか会えない哲也がしてやれることのひとつ。 何か他に言いたいことはないか、何か抱え込んでいたりはしないか。すべてを察することはできないけれど、少しでも。 電話を切った後の寂しさは、切る勇気が必要な分、切れた寂しさよりはマシだろう。哲也はそんなことを気にするたちではないが、以前、啓太がそんなことを言っていた。それから哲也は臣より先に電話を切らないようにしている。 相手が臣なら、とりとめのない話で長引いても良いと思うのに、臣は哲也を気遣って、名残惜しそうにしながらも電話を切る。 受話器を見つめて寂しそうにしているだろう臣を、後ろから抱きしめてやれたらどんなにいいだろうかと思うけれど、哲也だって万能ではない。出来ないことは、やはりあるのだ。 でも。だからこそ。 今すぐ会って抱きしめられないからこそ、会ったときには、思い切り抱きしめてキスをして、会えるときにしか出来ない方法で、愛情を交わしたい。そう思う。 ……早く帰って来いよ。 遠い空に呟いて、ベッドに潜り込んだ。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - あい。 というわけで、丹七でしたー。 にわしち遠恋で電話ネタって2個目だね、て書いてる途中で気がついたけどキニシナイ☆ そしてやっぱりテレフォンえっちには突入しないのです。しないところでもだもだなのです。 なんでERO話書くのかな、て、自問自答して、出てきた理由の一つがつまりはこういうコトなのです。 という、誰に説明してんだか、なコバナシでした。 >私信toうさチャンs(見てんのかココ…見てないだろなぁ・苦笑) 哲ちゃんBDイラ、今からでも遅くない! 楽しみにしてるお!! 臣たんBDも楽しみにしてるお!! 中嶋氏BDもry ← (和啓スルーしたくせにw) PR コメントを投稿する
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