車両トラブルでしたねえ。しかも久喜駅！
ドＳウサギの輝く笑顔が目に浮かぶ……（合掌）。

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「うわ…っ！？」
　なんだかものすごくイヤな予感がして慌てて止めたけどちょっと遅かった。走り出そうとしたところを急停止させられた車体がイヤ～な音を立てる。
「えええ～、もう、朝から何だよー！」
　今朝の点検では何もなかったよ！　と、頭に浮かんだ日光の腕組みしかめっ面に言い返して、まずは車両点検のためしばらく停止する旨のアナウンスをした。それから後続はもちろん、全車両に。
　それぞれ最寄りの駅で待ってもらわないと。
　ここも駅で良かった。駅間で急に止まっちゃうのが一番困る。特にこの辺、駅間長いし。
　幸か不幸かちょうど乗換駅だから、急ぎの人にはＪＲ使ってもらえば…ほんとは振替頼まずに済ませたいけど…。
「いーせさき♪　おはよう、どうしたの？」
　噂する前に影が来た！
　恐る恐る振り向くと、フェンスに寄りかかって身を乗り出している宇都宮がいた。
　うーわー、ものっすごいキラキラしてるよ宇都宮、笑顔が眩しいよ！
「宇都宮～。車両がちょっとおかしくて…」
「ああ、それ古いヤツからねえ。もう何十年？　野田のとこのは五十年でしょ？　東武ってホント物持ちいいよねえ」
　悪かったなビンボーで！　でも、これマズイ。すぐには直せない。
「宇都宮、悪い、ちょっと時間かかりそう。振替頼む」
「うん、いいよ。困ったときはお互い様だもの」
　にっこり、笑って快諾してくれる様子はものすごいイイ人みたいなのに。
「だけど……ねえ伊勢崎」
　輝く笑顔のまま、指先でくいくいと曲げて、こっちに来いの合図。
「なに？」
「お礼ちょうだい？」
「へ？」
　ぐい、と腕を引かれて、身体がフェンスにぶつかって音を立てた。
　痛みに気を取られたスキに、頬に押しつけられたのは、もしかしなくても…。
「ぅわっ！？　なにっ…」
　なんでオレにすんの！
「お礼の予約。--がんばって車両直してね、じゃ！」
　さわやかに告げて、宇都宮は上機嫌で去っていった。発車ベルが鳴って上野行きが出ていく。
　慌てて振替依頼と乗客への案内をして、人の減った車両を振り向いたらため息がこぼれた。
「予約って…」
　今日も夕立の予報がある。きっと雷も。そんな大荒れ予想の日なのにさらに。
「うーえー…どうしよう…」
　宇都宮がなんだか妙に日光を気に入ってるのは知ってるけど、日光がＪＲの中でも特に宇都宮が大っキライなのも知ってるけど。
　オレが宇都宮にキスされたって、日光に言わなきゃすむ話だってわかってるけど、…隠し通せる自信がない。
「日光、ごめん！」
　聞こえるはずもないけど謝ってみる。
「とりあえず！　まず車両！　早く運転再開しないと！」
　無理矢理気を取り直して、ひとまず目の前の問題に取り組むことにした。


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１０時過ぎに通常に戻ったみたいですね、伊勢崎。
宇都宮と伊勢崎の組み合わせってけっこう好きかもしんない。カプでなくて。
ドＳウサギにちゅーされたって日光にバレたら、当然怒った日光が宇都宮に殴り込み→返り討ち、に決まっとります。日光、ふぁいとｖｖ

にしても今日は中央線メタメタだ…そして京王線が混んでいる…。