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でんしゃのひと萌えブログ。 遅延も萌えれば人生三倍楽しいぜ! (毎朝デフォで数分遅れる子に乗ってますのでね…)
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【BLG:ヘヴン】中嶋さんハピバ!! 【中七SS】

出オチっつかタイトルオチもいいとこな、中嶋さんBDコバナシ。
(※注意:中嶋さんの誕生日は11/19です←)

今日うpするのには理由があるんだよ!
理由という名の立派な言い訳が!


 

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こんなにも長い快楽の不在
(学園ヘヴン:中嶋×七条)

 


「しばらく忙しい」
 そんなメールが来たのは、11月の半ばのことだった。
 ボージョレ・ヌーボーの解禁日に向けて、日本中の一部の酒好き・お祭り好きが、浮かれ騒ぐ時期である。
 臣も、またメールの相手も、祭りの喧噪を好まない。大の祭り好きが身近にいるせいでしばしば巻き込まれてはいるが。
 そして若い酒の爽やかな酸味は、爽やかとは縁遠い二人の好みではなく、やはりあまり縁がない。
 それはさておき、簡潔に過ぎるメールが来て後、中嶋との連絡が途絶えた。
 元々、世間の基準から言えば『忙しい』状態にある相手である。忙しい、と態々連絡を寄越すと言うことは、つまり暗に臣からの連絡の拒否である。それくらいはわかる。だから、臣からは連絡しない。そのうちまた理不尽なメールが来るか、突然現れるかするだろう。
 ――そう思っているうちに、一ヶ月が過ぎた。
 最後のメールが来てから数日後の中嶋の誕生日にも、何のメールも、電話も、もちろん直接会うこともしなかった。互いの都合で会わなかった年はもちろんあるが、その数日後には顔を合わせ、ついでに肌を合わせていたので、何もないのは初めてだった。
 それから一月、もはや世間はクリスマスムード一色である。もしくは忘年会の浮かれ騒ぎだ。
 いまだ、中嶋からの連絡はない。
 臣からも、していない。
 もしや行き倒れてはいまいか、などとも思ったが、確かめる術もない。
 いや、正確に言えば無いわけではない。
 臣と中嶋には共通の知人が何人か居る。
 丹羽か篠宮に尋ねれば或いは、とも思い、すぐにその選択肢を打ち消した。
 臣とすら連絡を絶っているのだ。他の人と連絡を取っているとは考えにくい。また一方で、もし彼等が中嶋の消息を知っていて、それを伝えられたら、自分がどう思うのか、それを知るのが臣は怖かった。
 自分でも馬鹿げていると思う。
 けれど、いつでも最悪の事態を想定しようとしてしまうのが、臣なのだ。
 起こりうる中で最低最悪の事態を想定しておけば、たいていのことで動じず対処をすることが出来る。
 だが、――いやだからこそ、その最悪の事態が実際に起こってしまったら、と思うと……。
 中嶋の顔形や声、口調を思い浮かべることさえ、最近では意識的に避けていた。悪いことしか言わないのだ、想像の中の中嶋は。
 涼しげなのに熱っぽい色を持つ眼差しも声も手指の動きも、思い浮かべていたのは最初だけだ。
 悔しいことに思い出すたび身体は疼いたが、自分で慰めることはしなかった。しても無駄だと知っているからだ。
 自分の手、或いは何か道具を使ったとしても、それは中嶋にはなり得ない。それを改めて思い知らされて、余計空しくなるのは分かっている。そして自慰の痕跡を中嶋に見咎められて嬲られるのも避けたかった。
 身体から中嶋の付けた情痕が消え、ベッドから中嶋の煙草の香りが消え、臣の皮膚の下の神経が中嶋の手管さえ消し去りそうになった頃、そのメールは、突然届いた。
『今夜行く。身体を磨いて待っていろ』
 身勝手極まりない言い草に、臣は怒りに身体を震わせた。
 臣にもう少し握力があったら、携帯電話を握り潰していたところだ。
 せめてもの抵抗に、部屋の片付けもシャワーなどの身支度も一切せず、ただひたすらパソコンに向かって過ごした。
 そして深夜、宣言通りに中嶋は現れた。
 中嶋は臣の部屋の合い鍵を持っている。チェーンをかけてはいない部屋は、臣が出迎えに行かなくても、勝手に中嶋の訪問を受け入れてしまう。
「人を訪ねるには相応しくない時間ですよ、中嶋さん。時差ボケですか?」
「夜行性のお前には相応だろう? ……それより何だ、身体を磨いて待っていろと言っただろう」
「お待ちしています、などと返事をした覚えはありません」
「返事を求めた覚えもないな、命令だ」
「あなたの命令に従う義務も義理もありません」
 いつも通りの言葉の応酬、それだけなのに。
 久しぶりに聞く中嶋の声が、勝手に臣の鼓膜を犯し始める。
 背中に刺さる視線も刺すように熱く。
 ああ、灼けるように冷たいあの眼差しに、正面から貫かれたら。
 そんな想像を始めようとする身体を叱咤して、臣はキーボードを叩く指に意識を集中させようとした。
 その手をふいに掴まれ、捻り上げられる。
「――っ、は、なしてくださっ……」
「何故? ずっとこうして欲しかったんだろう?」
 低い声が、触れた背中から直に伝わってきて、臣は思わず身体を震わせた。
「クッ、相変わらず敏感な身体だな……」
 満足げに眼を細めた中嶋の指に顎を捉えられ、仰向かされる。
 猛禽、あるいは猫科の獣を思わせる獰猛な眼差し。
 しなやかに気高く、その所作は、残虐さよりももっと美しく。
「一ヶ月、俺に焦がれたか? 抱かれたくて疼いたか?」
「……まさか。あなたに安眠を邪魔されずに済んで、せいせいしていましたよ」
「嘘吐きだな、臣。それならどうして、こんなになっているんだ」
 中嶋の手が胸元に伸びた。
 セーターの上から胸の中心を摘まれて刺激に震え、それで初めて己の身体の状態を知った。
「ほら、こんな厚い服の上からさえ分かるほどに乳首を起たせて、下も、こんなにしているじゃないか」
 服の上から握り込まれて息を呑む。
 中嶋が満足げに笑っているのが分かるから余計に悔しい。
「言え、臣。この一月の間に何度、自分でした? 俺を思い出して自慰をして、物足りなくて余計に疼いただろう? 後ろも使ったか?」
「ばかな、ことを……」
「臣」
 間近で囁く、低い声。
 両の手よりもよほど強い力で、臣を拘束する。
「していませんよ、一度も」
 答えて、中嶋を睨み上げる。
「この一月の間、ただの一度も、していません。――あなたのような性欲魔神と一緒にしないでください」
 言ってから、蛇足だったと悔いたが、手遅れだ。
 一瞬目を瞠った中嶋が、クッと肩を震わせて、目と唇を淫猥な形に湾曲させた。
「ッフ、そうか……。――そんなに俺に焦がれていたか」
「どうしてそうなるんですか……」
 呆れを装って吐き出した悔しさは、笑みに歪んだ薄い唇の間に吸い込まれた。

 


   fin.

 

 

 

中嶋さん、ハピバ!(一ヶ月遅れ←)
ひさ~~しぶりの、中七です。

哲ちゃんBD(8/15)はもちろん、臣BD(9/7)も丹羽七だったじゃない?
Y姉に、「帝王は~?」って言われててさ!
ほんとはボジョレーネタにしようかと思ってたんだけど、間に合わなかった。
最近コンビニとかスーパーとかあちこちに『ボジョレー解禁!』なのぼりあるじゃないですか、アレ見て溜め息ついた臣たんに、啓太が「七条さん、どうしたんですか?」て聞いて、「ボジョレーに罪はないのは分かっているんですけどね…」と。
だってボジョレー解禁日(11月の第三木曜日)が近づく=中嶋氏の誕生日が近づく、と思うとさ、何だか、街中が帝王の性誕(違)を祝えと脅しているような気が……(被害妄想です)。

ちなみに、臣の中嶋の呼び方が「中嶋さん」なのは、せめてもの抵抗です(笑)。
ベッドの中ではちゃんと「英明さん」て呼んでるっつか呼ばされてる。
名前呼んでお願いしないとイかせてもらえないからね!
(中七のお約束←)

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