山手クンはぴば！
（1885.3.1　品川線開業！）

28日の21時から、透瑠さん主催の山手絵チャで山手愛で隊の皆様とめでたいひとときをご一緒させていただいてます(継続中！)
そして、絵描きさん達が絵を描いている間、字書きは字を書くべと……。

ミドモン（みどりの伊右衛門）ノテの話から、山手って和服似合いそう、と。
そんな話から浮かんだ、和服の山京山な話。

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　たまには違う服装で

　2013.2.28
　presented by Hirona AiKawa @ Selfish Station

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　現れた山手を見て、京浜東北は言葉を失った。
　ひとは本当に感動すると言葉を失うと言うけれど。
　へぇ、とかほぉ、とか、そんな感嘆の言葉さえも出て来ない。
「…………」
　ただ無言で凝視され続けることに耐えきれなくなったのか、山手が手を持ち上げ、そこに内回り人形がないことに気づいて惑う心のままに指先を揺らした。
「…………け、京浜東北……」
　内回りがいないのに腹話術の声を出すのは躊躇われたらしく、低い声がどもり気味に名前を呼ぶ。
「ああ、ごめん。見とれてた」
「え……」
「何て言うんだっけ、こういうの。馬子にも衣装じゃなくて……、とにかく、似合うよ。格好いい」
「……っ！」
　気の利いた言葉が浮かばなくて、やけにストレートな物言いをする羽目になった。
　途端に山手の耳が真っ赤に染まる。
　せっかく格好良く決めているのに台無しだ。だがそこがまた山手らしくもある。
　今日の山手は、鴬色……いや抹茶色と言うべきか、深みのある緑の着物を着ていた。上には藍鼠の羽織。
　103系の50周年記念『みどりの山手線』ラッピングの車両に、さらに某ペットボトル緑茶のコマーシャルラッピングをすることになったので、そのための衣装ならしい。
「君、和服似合うね……。恰幅良いからかな」
　肩に手を伸ばすと、びくっと震えて後退さられた。
「ちょっと……。別に取って食ったりしないよ」
「ち、違う。ごめん……」
「何？」
「け、京浜東北も……着れば良い……」
「え…？」
　うん、と何を決意したのか山手はひとつ頷いた。
　綺麗に着付けてもらったばかりの羽織を脱いで、京浜東北の肩に掛ける。
「え、ちょ、山手……？」
「――やっぱり、京浜東北はもう少し明るい色の方が良いか……」
　また何かを決意したらしい山手が、京浜東北の腕を引いて奥の間に歩き出す。
　山手に着付けをしてくれていたらしい人に歩み寄り、コソコソと耳打ちをして、二人は京浜東北を見ると同時に頷いた。
　なんだか嫌な予感がする。
　そしてしばらくの後、京浜東北は何故か服を着替えさせられていた。
　袴に羽織。色は白と水色。
　言うなれば、新撰組のような。
『ほーら、やっぱり似合う～☆　悪・即・斬！ってカンジだね☆』
　外に出て待っていた山手は、いつの間にか内回り人形を取り戻していて。
「……なんだかいろいろ混ざってる気がしなくもないけど……」
「似合う」
「……ありがとう」
　いつもと違う服装の山手は格好良く、またなんだか嬉しそうなので、まぁいいか、と思うことにした。

　おしまい☆

（ありがちなオチですみませんｗｗｗ）
（京浜サンの分の着物はどこにあったんだとか言ってはいけない←）
仮タイトルのままサイトの片隅にうｐったので、こっちにもそのままうｐ……。