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でんしゃのひと萌えブログ。 遅延も萌えれば人生三倍楽しいぜ! (毎朝デフォで数分遅れる子に乗ってますのでね…)
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【臨】空の如くに鉄路をつなぐ side山京

6月のオンリで配布したペーパー『午睡慕情』より。

5月の新潟組企画本に書いた話『空の如くに鉄路をつなぐ』から、カットした山京なシーン。
続きからどうぞー。


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『空の如くに鉄路をつなぐ』

 新幹線に乗って新潟の市街地を少し走ると、窓の外には青々と稲穂が風にそよぐようになる。
 秋には金色の絨毯なのだろう。
 物珍しそうに外を眺めていた山手は、トンネルに入っても名残惜しそうに外を見つめている。
 その横顔から視線をはずし、京浜東北は口を開いた。
「山手、知ってる? あのピンク色の子――白新線、彼の走る距離は、新発田~新潟間の二十三、七キロ、君より少し短いくらいだね。あちらの路線の中では運行本数も多い。日に何本か、直通列車の業務で羽越線や越後線の区間へ行くこともあるみたいだけれど、基本的にはその三十キロ弱の道をひたすら往復して守っている」
 トンネルを抜けて見えたのは田んぼ、その向こうには遠く山々が連なる。
「見慣れた光景を、愛して、わずかな季節の移り変わりに気づいて喜んで、いいんだよ。
 遠くに行けないんじゃない。行かないんだ、君の走る土地のために。行こうと思えば、ほら、今日みたいに新潟まで来ることだって出来る」
 京浜東北は、手を持ち上げて、隣で内回り人形を抱える山手の頭を軽く撫でた。
「今日、仕事上がったら、君の部屋でそのビール飲もうか」
 山手は無言のまま、ただ小さくうなずいた。
 また入っていたトンネルを抜けて陽が射し込み、窓の縁がきらり光った。

(――新潟組企画本の、山京サイドでした。)

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